以前、錦織選手のラケット破壊についての記事を書きました。
先日の全仏オープンでも、ラケットを投げ付けてしまった錦織選手。
テレビでもネットでも、やはりいろいろ言われていました。
確かに最近の錦織選手は少しイライラしているな~と感じます。
何か自分の中でうまく嚙み合っていないのかもしれません。
でも正直、テニス観戦をしていれば色んな選手がラケットを投げたり折ったりする姿を見ることは日常茶飯事で、まったくめずらしいことではないので、錦織選手だけこうしてクローズアップされて責められてしまうのはちょっと気の毒に思ってしまいます。
そんな折、同じく男子プロテニスプレーヤーの杉田選手が、ブログでラケットの破壊についての思いをつづられていました。
選手が書くべきではないかもしれませんが、私の意見を言わせてもらいます。
として、選手から見たラケット破壊の内情について語られていることが、ものすごく腑に落ちる内容でした。
選手にとってこのツアーで生き残るために絶対に必要な事は、全試合を闘争心を絶さず闘い抜く事です
(中略)
試合で必要とされる闘争心には、恐怖心や迷いを和らげる役割があります。
しかしこの闘争心には少し怒りに近い感情があり、選手はこの難しい狭間で長時間プレーを強いられる場面がよくあります。
確かに、闘争心っていうのは「闘い」の心ですから、普段、闘いなんてものとは無縁に生きている私などには想像もできないくらいの精神状態で、彼らは試合に向かっているのだと思います。
「闘争心には怒りに近い感情がある」っていうところに深く納得します。
試合を見ていると選手はみんな尋常でないくらい負けず嫌いで、たった1ポイントをミスった、相手に決められた、それだけで、信じられないくらい激しい怒りを露わにする人もいます。
それほど必死な思いで闘っている選手たちにとって、衝動的な怒りをぶつける対象は確かにラケットしかないんもんなぁ…と思うんですよね。
今回、ヤフコメで「後ろにサンドバッグを吊るしておけばいい」という書き込みを見て思わず笑ってしまいましたが、実にいいアイディアだと思いました(笑)
何かで発散させないととても気持ちを保てない、それぐらいギリギリのところでみんな闘っているんだと思います。
普段何をされても怒らないあれほど温厚な彼が、あそこまで無理やりテンションを上げて状態を維持しようとしているということの意味は私は理解していますし、どうにかして踏ん張りたいという強い思いは、私に大きな価値をもたらしてくれます。
この文章に思わず涙がホロリ…。
他の外国人選手ってみんなすごく体が大きいしガタイもいいし、日本人からするとちょっと怖いくらい…。
キリオスなんてあの風貌だし、もうそこにいるだけで存在自体が怖いし(好きだけど)、身長が2メートル超えの選手も何人もいるし。
錦織選手、そんな中で本当によく頑張っていると思います。
あれだけのツワモノたちの揃った中で、日本人の錦織選手が世界ランキング10位以内を何年もキープしているなんて、本当にすごいことですよね。
正真正銘の天才なんだと思います。
ラケットを壊すのは確かに良くないことなんですけど、でもそんな選手たちの背景もちょっと理解してみると、また違った印象になるのではないかと思いました。
杉田選手のブログはこちら↓
mitsubishielectric-sports.tespro.co.jp