先日、上野の森美術館で開催されている「フェルメール展」を観に行ってきました。
久々の絵画鑑賞です。
フェルメールの絵を観た感想と、キレイだった上野公園の紅葉を紹介したいと思います♪
久々の上野は紅葉が見事だった!
上野駅から公園内へ足を踏み入れた瞬間、イチョウの鮮やかな黄色が目に飛び込んできました。
西洋美術館では、この時期「ルーベンス展」をやっています。
最初の予定では、フェルメール展のあとにこのルーベンス展を観るつもりだったんですが、紅葉に目を奪われてあちこち公園内をうろつき回っていたら、すでに足が疲れてしまい…💧
このあと赤羽にも行かなくてはならなかったので、ルーベンス展を観るのは1月へ延期することにしました。
上野の森美術館へ到着すると、美術館の周りの紅葉も見事!
この辺一帯を一周して紅葉を存分に楽しみました♪
いい季節ですねぇ。
この日はぽかぽかととても暖かく、コートの代わりに薄いカーディガンを羽織っていたのですが、それでも歩いていると汗ばむくらいでした。
美術館の周りは人が列を作って並んでいましたが、10分も待たずにチケットを購入できました。
けっこう長く並ぶ日のあるようなので、ツイてましたね。
ただ、チケット代が高くてビックリ。
ほかの展覧会と同じくらいかと思っていたら、お札がもう一枚必要でした^^;
それだけフェルメールのこれらの絵を観られるのが貴重だということですね。
(チケットについては後述します。)
フェルメール展を観た感想
17世紀オランダ絵画黄金時代を代表する画家、ヨハネス・フェルメール(1632-1675)。
世界中で不動の人気を誇る巨匠ですが、現存する絵画はわずか35点なのだとか。
今回の美術展では、そのうちの10点が展示されます。
日本初公開の作品も鑑賞できる貴重なチャンス。
フェルメールのほかに、ハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンなどの作品を含む約50点が展示されているそうです。
こうした美術展に行くと、〇〇展と銘打っている画家の作品は最後の方に展示されていて、序盤は別の画家の絵画がズラッと並ぶのが常なんですが、とくに1~5枚目くらいまでは印象深い絵が展示されているケースが多いです。
今回も、順路のしょっぱなから目を引かれる作品が立て続けに現れ、入館してまだ数歩しか歩いていないのに、すでに足が止まってばかり。
「ルカス・デ・クレルクの肖像」、「フェインチェ・ファン・ステーンキスケの肖像」、「アマリア・ファン・ソルムスの肖像」などなど、どの肖像画もとにかく目がとても印象的でした。
じっと見ていると、何かを訴えかけてくるような瞳。
「目は口程に物を言う」とはよく言ったものだなぁと思います。
そして、肖像画を見るといつもため息が出てしまうのが、肌や着ている服、装飾品のリアルなまでの質感です。
肌のやわらかさやその感触、ネックレスやイヤリング、指輪、ティアラなどなど、石や金属の冷たさや硬さまで伝わってくるようで。
ヤン・ウェーニクス作「野ウサギと狩りの獲物」では、捕らえられたウサギが足を吊られている姿が描かれているんですが、ウサギのふわふわな毛が見事に表現されていて、風でも吹こうものなら今にも毛がフサフサ揺れそうなくらいでした。
解説にもありましたが、まさに「触れそうな毛並み」。
目の前でまじまじと見入ってしまいました。
さて、お目当てのフェルメールですが、フェルメールといえば「窓、テーブルクロス、絵画、光」ですよね。
まずは今回の目玉作品「牛乳を注ぐ女」。
※参照元:楽天
牛乳を注ぐ女 -The Milkmaid
1658-1660年頃 | 油彩・カンヴァス | 高45.5×幅41cm
アムステルダム国立美術館
日本初公開の「ワイングラス」。
※参照元:楽天
ワイングラス -The Wine Glass
1661‐1662年頃 | 油彩・カンヴァス | 高67.7×幅79.6cm
ベルリン国立美術館
やわらかく静かな雰囲気が印象的な「手紙を書く女」。
※参照元:楽天
手紙を書く女 -A Lady Writing
1665年頃 | 油彩・カンヴァス | 高45×幅39.9 cm
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
上の絵と同じ服を着ている「真珠の首飾りの女」。
※参照元:楽天
真珠の首飾りの女 -Woman with a Pearl Necklace
1662-1665年頃 | 油彩・カンヴァス | 高56.1×幅47.4 cm
ベルリン国立美術館
フェルメールはどの絵も小さいんですよね。
ミュージアムの看板にはあんなにデカデカと印刷されてますけど、実物は幅も高さも50センチ前後と、驚くほどコンパクト。
なので、フェルメールの絵の前はどこもものすごい人だかりでした。
小さいから近くに寄らないとよく見えないし、みんなが寄ろうとするから人でひしめき合っていて、とてもゆっくり鑑賞できるような雰囲気ではなくて。
が、たぶん今日がこの絵を生で観る最初で最後だろうと思い、人が移動するのを待ってようやく2列目くらいで観ることができました。(最前の人はなかなか下がってくれない…)
やはりサイズのせいか、それとも人の多さで落ち着いて観れなかったせいか、「これが本物」という実感がいまひとつ湧いてこなかった💦
でも、好きな画家の名画をこうして目の前で観れるというのは、やっぱり幸せなことですよね。
今回の展示を見て、私は人物画が好きなんだな、と改めて感じました。
自分で買う複製画は風景画が多いんですが、本来は人物画の方が好きなんだと思います。
なぜ人物画を買わないかと言うと、人物画は優れた作品であればあるほど観ている側に強い影響を及ぼすので、部屋に飾るには覚悟がいるのです。
肖像画のように、こっちをじっと見据えているような絵だとなおさら飾りにくいですね…。
だから自分で買うのは、どうしても落ち着いて観られる風景画が多くなってしまう。
でもフェルメールの絵の登場人物は、何かの作業中だったり人と話していたり手紙を読んでいたり楽器を演奏していたりと、自分のことに集中していて私の方へ何かを強く訴えかけてくるようなことはないので、フェルメールの絵だったら部屋に飾っても大丈夫かな?
いやでもやっぱり、気になって仕方ないだろうなぁ。
人物画を観ていると、描かれている人の性格や暮らしが浮かび上がってくるような気がします。
その日の出来事や今なにを考えているのかなど、絵を眺めながら無意識に想像してしまう。
あとは単純に、絵の素晴らしさに感動すると言うか。
技術的なうまさだけでなく、画家のこの絵に込めた思いや作品を完成させるまでに費やした歳月とかが胸にズーンと迫ってくる。
久々の絵画鑑賞、たっぷり堪能しました。
やっぱり絵は良いなぁ。
▼会場の様子がこちらで見られます。※行く予定の方は見ない方が良いですよ。
フェルメール展の”日時指定入場制”とチケット代について
フェルメール展は、日時指定入場制となっています。
下記の時間枠に区切り、都合に合わせてその日時のチケットを買い求めるという形です。
- 9:30~10:30(※1月・2月は9:00〜10:30)
- 11:00~12:30
- 13:00~14:30
- 15:00~16:30
- 17:00~18:30
- 19:00~20:00
チケット代は、一般が2,700円でした。
大学生・高校生が2,000円、中学生・小学生が1,200円です。
ただ、前売りで購入すると200円安い2,500円になるので、行く予定の人は前売りを購入しておくとおトクなうえに、混んでて希望の時間のチケットが買えないという事態も回避できますよ。
また、下記の日時に限り、公式サイトで指定されている販売ページでチケットを購入すると、特製マグネット付ブックマーク(非売品)が特典で付いてくるそうです。
対象日時:1月1日(火)~8日(火)
17:00~18:30、19:00~20:00の入場時間枠
※特典のブックマークは、ご来場当日入場の際にお渡しいたします。
会場では、入り口でイヤホン式の音声ガイドと作品の解説が載っている小冊子が全員に配られます。(注:小冊子には画像はいっさい載っていません。)
音声ガイドは石原ひとみの声。
ただ、全作品が解説されているわけではありません。
でもガイドを聞きながら絵を見るとまた印象が変わってくるので、無料で全員に配られるのはありがたい。
まぁその分がチケット代に含まれているのかもしれませんが。
フェルメール展は、東京は2019年2月3日まで「上野の森美術館」で開催されています。
東京が終わると、次は「大阪市立美術館」で2019年2月16日(土)から5月12日(日)まで開催されます。
途中で一部作品の展示替えもありますので、くわしい情報は、公式サイトでご確認ください。
ー 東京展 開催概要 ー
展覧会名 | フェルメール展 -Making the Difference:Vermeer and Dutch Art |
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会期 | 2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日) ※会期中、一部作品の展示替えあり。 「赤い帽子の娘」10/5(金)〜12/20(木)、「取り持ち女」1/9(水)〜2/3(日) |
開館時間 | 9:30~20:30 ※1月1日(火・祝)〜2月3日(日)は9:00〜20:30(入場は閉館の30分前まで)。 ※開館・閉館時間が異なる日があります。 |
会場 | 上野の森美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2 JR上野駅 公園口より徒歩3分 |
問い合わせ | インフォメーションダイヤル 0570-008-035(オペレーター対応:9:00~20:00) |
▼家にはアルフレッド・シスレーの絵を飾っています。
歩子さん こんばんは
私も赤羽とフェルメール展、同じ日に行ってきました。歩子さんの感想に近かったかも。普通ならあれだけの数の作品を観るには何カ国もの美術館を訪れないとならないわけで、貴重な機会ですよね。だから目に焼き付けておこうと人混みに耐えてジックリ鑑賞して。したんだけど作品が小ささに戸惑ったのか実感が沸かなかったような。新春ライブのときにまた行ってみようかな。そういえばご自宅のシスレーの絵も是非観てみたいです。掛けかえのタイミングでもし気が向いたらアップしてくださいね〜。
ひよとんさん。
同じ日ってよくお分かりで!
そうだったんですか~
フェルメールはもっとじっくり見たかったです。
だいたいのサイズは知っていたものの、美術館で見ると想像以上に小さく見えましたね^^;
おお、シスレーですね♪
シスレーは夏の絵と冬の絵の2枚あるんです。
さっそく明日にでも写真をアップしますね^^
ひよとんさん。
シスレーの絵について書いた昔の記事を見つけたので、追記でリンクを貼りました。
ちょっと写真がちっさいですけど、良かったら見てみてください^^
わぁ!早速ありがとうございます!
シスレーの風景画、雪景色も素敵だけど、特に夏の絵は家の中に木々の緑と光があるような爽やかさですね。明日は仕事帰りに丸善に行く予定なので、シスレーの画集を探してみることにしました。
歩子さんの記事を読み返して、特にフェルメールの光と色の繊細さや人物の表情って、一人になれる場所で静かに味わうのが理想的なんだろうなー。と思いました。
ひよとんさん。
シスレー、いいですよね。
ピサロも好きです。
印象派に惹かれますね~
一番好きなのはバルビゾン派なのですが。(コローとミレー、好きです^^)
フェルメールはおっしゃるとおり、ひとり静かにその世界に没頭したいですよね。
まぁ、どの絵もそうなんですが。